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エアコンをつけたらブレーカーが落ちる!主な原因と対処方法を徹底解説

エアコン_ブレーカー_サムネイル

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小野雄人

東京大学工学部電気工学科・東京大学大学院工学系研究科電気工学専攻修士課程を修了。鉄道の信号部門に関連する研究開発業務や、鉄道会社の現場での勤務を経験。2022年に独立・フリーライターに転身、記事の執筆や監修・編集を手掛けている。保有資格:技術士(電気電子部門)

エアコンをつけたときや、使用しているときに、突然ブレーカーが落ちてエアコンが止まってしまったことはないでしょうか?

住宅の分電盤に設置されているブレーカーには3つの種類があり、どのブレーカーが落ちたのかによって対処方法が異なります。エアコン使用中にブレーカーが落ちる原因と、原因別の対処方法を紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

ブレーカーの種類と落ちる原因

エアコンをつけたら停電してしまったときは、まずは分電盤のある場所へ行って、どのブレーカーが落ちているのかを確認しましょう。分電盤が設置されている場所に明確な決まりはありませんが、玄関、洗面所、台所、クローゼットといった場所の壁に設置されていることが多いです。

分電盤とは、住宅への電気の入口であると共に、各部屋やコンセントへの電気の分配を行っている設備で、いわば電気にとっての玄関口です。この分電盤には、大きく分けて3種類のブレーカーが設置されています。

分電盤とブレーカーの写真

  • アンペアブレーカー

電力会社との契約アンペア数を超える電気を使用したときに、電気を遮断する(止める)ブレーカーです。「契約ブレーカー」「サービスブレーカー」と呼ばれることもあります。近年は取り付けられていないこともあります(詳しくは後述します)。

  • 安全ブレーカー

分電盤から住宅内の部屋やコンセントへ分岐した回路のそれぞれに設けられているブレーカーです。「サーキットブレーカー」「配線用遮断器」と呼ばれることもあります。1つの回路で電気を使いすぎているとき(一般的に20アンペア以上)に、その回路の電気だけを遮断します。

  • 漏電ブレーカー

住宅内のどこかで漏電が起きたときに遮断されるブレーカーです。漏電は、電気が電線などから漏れ出す現象で、感電事故や電気火災につながることもあります

上記の通り、3種類のブレーカーは落ちる(電気が遮断される)原因が異なります。次節以降で詳しく説明します。

なお、近年はアンペアブレーカーが設けられていない場合があります。アンペアブレーカーがない住宅では、室外に設置されている、スマートメーターと呼ばれる電力メーターが、アンペアブレーカーの機能も果たしています。スマート電力計は、電力量の数字がデジタル表示であることが見た目上の特徴です。

大量の家電製品を同時に使用していたら電気を止められてしまい、10秒程度経って電気が復旧したときは、アンペアブレーカーの代わりにスマートメーターの機能によって電気が遮断されています。そのままの状態では再び電気を止められてしまうので、一部の家電などのスイッチを切って、電気を使いすぎている状態を解消します。

アナログメーターとスマートメーター

アナログ電力計(左)とスマート電力計(右)

本記事では、エアコンの使用と共にブレーカーが落ちるケースに絞って解説しますが、エアコンが関係しない場合でも、基本的にブレーカーが落ちたときの対処方法は同じです。下記の記事を参考にしてください。

>> ブレーカーが上がらない!原因と正しい復旧方法を種類別に紹介

また、電気が使えなくなったけれど、どのブレーカーも落ちていないというケースも、発生する可能性はあります。その場合は、以下の記事を参考にしてください。

>> コンセントが使えなくなった!原因と対処法を徹底解説

>> 急に電気がつかなくなった原因は?自分でできる確認方法と対処法

 

アンペアブレーカーが落ちる原因:契約アンペアを上回る電気の使用

アンペアブレーカーが落ちる(またはスマートメーターの機能によって電気を止められる)のは、電力会社と契約しているアンペア数を上回る電気を使用したためです。契約アンペアが足りないからアンペアブレーカーが落ちるとも言い換えられます。

例えば、電力会社との契約は30アンペア(A)までとなっているのに、複数の家電を同時に使用して40アンペアの電気を使うと、アンペアブレーカーが落ちるのです。

電力会社との契約アンペア数は、電力会社から送られてくる検針票に書いてあります。分電盤のアンペアブレーカーに記載されている場合もあります。あるいは、電力会社のWebサイトのマイページなどで確認してください。

安全ブレーカーが落ちる原因1:エアコンの設置されている部屋で電気を使いすぎている

安全ブレーカーは、分電盤で分岐した回路ごとに設けられているブレーカーです。安全ブレーカーが落ちる原因の1つとして、その安全ブレーカーが設置されている回路で、電気を使いすぎていることが考えられます。

一般的に、安全ブレーカーが落ちるのは20アンペア以上の電流が流れたときです。エアコンが設置されている部屋で、同時に家電などを使いすぎていないか確認しましょう。

ただし、近年建設された住宅では、エアコンが使用する電気はそのエアコン専用の回路から取られていることがほとんどだと考えられます。通常のエアコンの使用状況であれば、安全ブレーカーが落ちることはないでしょう。専用回路であるにもかかわらず安全ブレーカーが落ちている場合は、次節以降で示す通り、エアコンそのものや電線の不具合などが考えられます。

安全ブレーカーが落ちる原因2:エアコン内部または電線でショートが起きている

電気回路のショート(短絡)も、安全ブレーカーが落ちる原因の1つとして考えられます。ショートとは、例えばエアコンの中に侵入した異物に電気が流れて「近道」をしてしまうことです。近道をすることで電気が流れやすくなるので、大きな電流が流れて安全ブレーカーが落ちることがあります。

ショートの原因としては、エアコン本体の水濡れ、エアコン内部への害虫の侵入、電線やエアコン内部の部品の経年劣化などが考えられます。

安全ブレーカーが落ちる原因3:フィルターの詰まりなどによるエアコンへの過負荷

詰まったフィルター

エアコンのフィルターがホコリで詰まっていたり、エアコンの室外機の周辺が物でふさがっていたりすると、空調能力を確保するためにエアコンの部品に大きな負荷がかかります。結果として大きな電流が必要になり、安全ブレーカーが落ちてしまう可能性があります。

安全ブレーカーが落ちる原因4:エアコン部品の経年劣化や故障

古いエアコン

経年劣化や突発的な故障などによってコンプレッサーやファンモーターなどの部品に不具合が起きていると、エアコンを動作させたときに異常な電流が流れて、安全ブレーカーが落ちる可能性が考えられます。

漏電ブレーカーが落ちる原因:漏電している

漏電ブレーカーが落ちる原因は、ブレーカーの名称通り漏電が発生しているためです。住宅内で使用される電気は、通常は電線などの決まった経路を流れます。しかし電気設備の経年劣化や破損などによって電気が決まったルートから流出することがあり、この現象を漏電といいます。

エアコンの電源を入れると漏電ブレーカーが落ちてしまう場合は、エアコンそのものか、電気を供給している回路で、漏電が発生している可能性が高いと考えられます。エアコンから漏電が発生する原因は、ショートと同様に、内部への浸水や虫の侵入、部品の劣化などが考えられます。

漏電によって漏れた電気に手などが触れると感電して命にかかわることもあります。また、発熱や火花によって発火し、火災に至ることもある危険な現象です。

>> 他人事ではない漏電火災の危険性|対処法と予防策も解説

 

その他の原因:分電盤やブレーカー自体の故障

分電盤やブレーカー自体の不具合によって、ブレーカーが落ちることも可能性としては考えられます。ブレーカーの寿命は13年程度と言われているので、この期間を超えて使用している場合は、ブレーカー自体の故障も視野に入れる必要があるでしょう。分電盤やブレーカーの修理、交換には第一種電気工事士または第二種電気工事士の資格が必要です。電気工事業者に依頼しましょう。

エアコンをつけるとブレーカーが落ちるときの原因別対処方法

続いて原因別の対処法を解説します。

アンペアブレーカーが落ちる場合

アンペアブレーカーが落ちる原因は、住宅全体で電気を使いすぎていることにあります。したがって、使う電気を減らすことが対策の基本方針です。

消費電力が大きい家電を同時に使用しない

エアコンは、立ち上がりのときに多くの電気を使用します。特にエアコンを立ち上げるときには、電気を大量に使用する他の家電は使用を控えましょう

家電などの稼働に必要なアンペアの数値は、家電本体などに書かれている消費電力(単位はW:ワット)から求めることができます。消費電力と電流(A:アンペア)、それから電圧(単位はV:ボルト)には以下の関係があります。

ボルト_アンペア_ワット

電流(A)= 消費電力(W)÷ 電流(A)

日本の住宅の場合、一般的にコンセントの電圧は100ボルトです。したがって、家電などの消費電力を100で割れば、必要なアンペア数が求められます。例えば、消費電力が1,200Wと書かれている家電を稼働するのに必要なアンペア数は

1,200(W)÷100(V)=12(A)

です。必要なアンペア数を計算することで、どれだけの家電を同時に使用できるのかを把握しましょう。

下記のWebサイトも参考になります。

温度設定を見直す

エアコンが使用する電気の量を減らすことも有効です。冷房の場合は温度設定を上げ、暖房の場合は下げることで、消費電力を減らすことができます。

契約アンペアの引き上げ

電気の使い方を見直してもアンペアブレーカーが落ちてしまう場合は、電力会社との契約を変更して、アンペア数を引き上げましょう。引き上げを行うと、電気料金の内、基本料金が上がることが一般的です。どれくらい上がるのか、電力会社のWebサイトなどで確認してから実行してください。

契約アンペア変更の手続きは、契約している電力会社に連絡して行います。ただし、賃貸住宅や集合住宅の場合は、まずは必ず大家さんや管理会社に相談して、同意を得てください

変更方法に関する詳細は下記の記事をご覧ください。

>> 電気の契約アンペアを変更するときに費用の支払いや工事は必要?状況別に解説

 

必要アンペア数の小さいエアコンに買い替え

契約アンペア数を引き上げたくない、あるいは引き上げられない場合は、小さめのエアコンに買い替えて必要アンペア数を減らす方法も考えられます。ただし、部屋の大きさに対してエアコンの空調能力が不足しない範囲にとどめましょう。

安全ブレーカーが落ちる場合

エアコン用のコンセントに電気を供給している回路の安全ブレーカーが落ちるときは、その回路に大きな電流が流れている原因を取り除く必要があります。

電気の使い過ぎで安全ブレーカーが落ちる場合

エアコンに電気を供給している回路がエアコン専用になっていない場合は、エアコンと同時に他の家電などを使うと、安全ブレーカーに許容されているアンペア数を超えてしまうことがあります。特にエアコンを起動するときには、必要なアンペア数が大きい他の家電は使わないようにしましょう。

また、エアコンの回路をエアコン専用として独立させれば、同時に他の家電を使用しても、安全ブレーカーが落ちなくなります

エアコン専用ブレーカー

エアコン専用回路に設けられている安全ブレーカー

エアコン専用回路の増設は、配線を付け足したり分電盤を改修したりする工程が必要で、電気工事士でなければ実施できません。分電盤に回路や安全ブレーカーを増設するスペースがない場合は、分電盤そのものの交換も必要になり、工事にかかる費用は上昇します。

エアコンの故障の場合は修理を依頼するか買い換える

エアコンの故障によって安全ブレーカーが落ちる場合は、エアコンを修理するか買い替える必要があります。

なお、修理業者以外がエアコン本体を分解して修理するのは、感電などのおそれがあり危険なので行わないようにしましょう。

エアコンを買い替えるのであれば、取り付け自体には特別な資格は必要ありません。ただし、エアコンの取り付けに付随する作業には、電気工事士の資格が必要になる場合があります。資格が不要な場合でも、素人が安全確実に行うことは困難な作業です。プロに依頼するのが無難でしょう。

また、賃貸住宅では、賃貸契約の内容次第でエアコンを管理者に無断で交換すると問題になる可能性があります。必ず管理者に確認してから実行しましょう。

電線の不具合の場合は電気工事業者に修理を依頼する

壁や天井の中などの電線がショートしていて安全ブレーカーが落ちる場合は、電線の引き直しなどの修理が必要です。電気工事士の資格が必要なので、電気工事業者に修理を依頼しましょう

フィルターの詰まりなどが原因の場合は除去する

エアコンのフィルターに詰まったホコリや、室外機の周辺に置かれた物などが安全ブレーカーが落ちる原因と考えられる場合は、それらの物を除去しましょう。

【重要】漏電ブレーカーが落ちる場合は早急に対処する

漏電ブレーカーが落ちる場合は、住宅のどこかで漏電が発生している可能性が高い状態です。放置すると感電や火災につながることもあって危険なので早急に対処しましょう。

【要注意】自分で対処するのが不安なときは迷わず管理者・電力会社などに連絡

次節で解説する内容は、法的には電気工事士の資格などは必要なく、自分でできることです。ただし、漏電しているときはどこで電気が漏れているかわからないので、感電対策を適切に実施しないと、感電してしまう可能性が否定できません。

自力での対処に不安がある人は、無理に行わないようにしましょう。賃貸住宅や集合住宅の場合は管理者に、一戸建ての持ち家の場合は電力会社(住んでいる地域の一般送配電会社)や電気工事会社に相談してください

自分でできる漏電箇所の絞り込み方法

漏電箇所の特定

漏電ブレーカーが落ちたときは、漏電ブレーカーや安全ブレーカーのオンオフを行っていくと、どの安全ブレーカーにつながっている回路で、漏電が起きているのかを絞り込めます

なお、分電盤やブレーカーの表面で漏電が起きていたら、感電する危険性があります。ブレーカーを操作する際には、低圧ゴム手袋(電気を通さないためにゴムで作られた手袋)を手に装着しましょう。

低圧ゴム手袋がない場合は、一般的なゴム手袋でもある程度の感電防止効果は期待できます。ただし、ゴム手袋のメーカーは電気を絶縁する効果を保証していないので、自己責任で使用することになります。

ブレーカーを操作する手順は以下の通りです。

  1. 安全ブレーカーを全て落とす
  2. 漏電ブレーカーを上げる
  3. 安全ブレーカーを1つずつ上げていく
  4. 安全ブレーカーを上げたときに漏電ブレーカーが落ちた場合は、その安全ブレーカーを再度落とす
  5. 漏電ブレーカーを上げる
  6. 漏電ブレーカーが落ちたときに上げた安全ブレーカーは落としたままにしておき、他の安全ブレーカーを1つずつ上げていく

4.の手順でエアコンの安全ブレーカーを上げたら漏電ブレーカーが落ちてしまったならば、エアコンまたはエアコンに電気を供給する回路が漏電の発生源ということになります。その安全ブレーカーをオフにしておけば、他の回路は問題なく電気を使用できます。

漏電している電気設備の切り分け方法

詳細な漏電箇所の特定方法

安全ブレーカーのオンオフで漏電が発生している回路を特定できた後は、その回路で使用している家電や延長コードなどのプラグの抜き差し、家電・照明のスイッチのオンオフを行うことで、どの設備が漏電の発生源なのかをより細かく絞り込めます。なお、引き続き低圧ゴム手袋などの感電への対策は必要です。

手順は以下の通りです。

  1. 漏電が発生していることがわかった箇所で使用している家電や照明のスイッチを切り、全てのプラグをコンセントから抜く
  2. 落としたままにしておいた安全ブレーカーを上げる(漏電ブレーカーが落ちた場合は終了)
  3. 抜いておいたプラグを再度コンセントに1つずつ差し込んでいく
  4. 家電や照明のスイッチを1つずつ入れていく

2の手順を実施した時点で漏電ブレーカーが落ちた場合は、その回路の配線や安全ブレーカーそのものに異常があると推測されます。安全ブレーカーを落として、漏電ブレーカーをオンに戻しましょう。詳細な漏電調査や修理は、電気工事業者に依頼する必要があります。

3や4の手順で、エアコンのプラグをコンセントに差し込んだときや起動したときに漏電ブレーカーが落ちた場合は、エアコン本体かエアコンの電気コードで漏電が起きていると考えられます。エアコンのプラグを抜いておけば、エアコン以外の家電などは問題なく使用できます。ただしエアコンを使いたい季節に使用できないのは不便なので、早急に電気工事業者に調査や修理について相談した方がよいでしょう。

ここまでの手順を実施しても原因が特定できない場合も、電気工事業者に調査を依頼してください。

漏電の詳細な調査や修理は、必ずプロの電気工事業者に依頼する

電気工事士の資格がなくても実施できる漏電への対処方法は、ブレーカーを操作したりプラグを抜いたりすることでの、漏電発生個所の大まかな絞り込みや電気の遮断に限られます

詳細な調査や修理といった、漏電の問題の根本的な解決は電気工事士でなければ不可能です。決して無資格での調査・修理は行わず、必ずプロの電気工事業者に依頼してください(繰り返しになりますが、賃貸・集合住宅の場合はまずは管理者に連絡してください)。

自力で対応できる範囲と、専門業者に依頼するべき範囲については、下記の記事も参考にしてください。

>> これって漏電?自分で漏電の調査をする方法とプロに依頼するべき状況を解説

 

分電盤やブレーカーの故障の場合は修理・交換する

ブレーカーが落ちる原因が、分電盤やブレーカー自体の故障であることも考えられます。その場合は、分電盤やブレーカーの修理や交換が必要です。電気工事業者に依頼してください。

エアコンの修理・買い替えにかかる費用

エアコンの修理が必要になった場合は、メーカーや販売店による保証の期間内であれば、無償または割安な価格で修理してもらえます。しかし、保証期間が切れていれば、有償で修理してもらうことになります。

修理にかかる費用は、故障の状態によって大きく変わります。安く済む場合は1万円程度ですが、空気を冷却する機構が壊れているといった重大な故障であれば、15万円程度に及ぶ可能性もあります。製品によっては、買い替えた方が安く上がる可能性もあるでしょう。また、発売から約10年以上経っている製品は、そもそも部品がなく修理不可能な可能性もあります。

 

エアコンを買い替える場合は、エアコンの大きさや機能のグレードによって費用が大きく変わってきます。6畳用の小さなエアコンであれば、工事費なども含めて10万円から20万円程度が相場です。一方、20畳用程度の大きなエアコンは、30万円程度が相場です。

畳数 販売価格の目安(設置工事費など含む)
6畳用 11万円~22万円
12畳用 16万円~26万円
20畳用 23万円~30万円
23畳用 25万円~33万円

なお、上記の相場は2026年1月時点のものです。家庭用エアコンは、2027年度から従来よりも厳しい省エネ基準が適用され、基準をクリアできないエアコンの製造・販売は不可能になります。エアコンの省エネ性能向上が必要になるので、最低価格が数万円から数十万円程度上がる可能性が指摘されています。買い替えを検討しているのなら、早めに購入に向けて動いた方がよいでしょう。

 

漏電の調査や修理が必要な場合は、電気工事業者を手配することになります。調査費用は5,000円~30,000円程度が相場です。修理費用は漏電の状況によって大きく異なり、数千円から数十万円と幅があります。下記の記事も参考にしてください。

>>【専門家が解説】漏電の修理費用はいくら?自分でできる対処法とプロが行う調査、工事内容も解説

 

エアコンのために専用回路を増設する工事を電気工事業者に依頼する場合は、2万円~5万円程度の費用がかかります。必要になる電線の長さや、分電盤の安全ブレーカーに空きがあるかどうかなどによって費用は変動します。

 

分電盤が回路の増設ができない状態だったり、分電盤に不具合があったりするという理由で、分電盤の交換が必要になることがあります。交換工事費用の相場は10万円から20万円程度です。下記の記事も参考にしてください。

>> 分電盤の交換費用はいくら?いつ、誰に頼めばいいの?徹底解説

 

契約アンペア数を引き上げる場合は、引き上げによって電気の基本料金は上昇することが一般的ですが、引き上げる作業自体には費用がかからないことがほとんどです。ただし、住宅の電気設備がそのままではアンペア数の引き上げに耐えられないという場合は、電気設備の改修工事が必要になります。費用は改修工事の内容によって大きく変わり、5万円~25万円程度です。詳細は下記の記事を参考にしてください。

>> 電気の契約アンペアを変更するときに費用の支払いや工事は必要?状況別に解説

 

エアコンの適切なメンテナンスでトラブル防止

エアコンが故障すると、修理や買い替えの費用がかかります。また、猛暑の時期に故障すると家に滞在することが辛くなるばかりか、健康を損ない、命に危険が及ぶ可能性さえもあります。エアコンを適切にメンテナンスして、トラブルを未然に防止しましょう。

アース線の接続

エアコンのアース線

エアコンのアース線は、アース端子へ確実に接続しましょう。アース線の役割は、漏電が起きたときに漏れた電流を地面に流すことによって、感電事故や電気火災を防ぐことです。

エアコンのアース線は、エアコンを設置したときにアース端子へ接続されていることがほとんどだと思われますが、万が一外れていたら放置せずに必ず接続しましょう。接続に電気工事士などの資格は不要です。

定期的なフィルター清掃

エアコンを使用していると、フィルターにホコリや汚れなどがたまります。2週間に1回程度、フィルターの清掃を行いましょう。フィルターのホコリなどを放置していると、空調能力の低下や電気代の上昇を招くばかりか、カビが繁殖するなどしてエアコン内部の汚れや悪臭の原因にもなります。

プラグをコンセントから抜いてトラッキング現象防止

トラッキング現象のメカニズム

エアコンのプラグが年中コンセントに差し込まれたままになっていないでしょうか? ときどきプラグをコンセントから抜いて、ホコリなどがたまっている場合は除去しましょう。

プラグとコンセントの間にホコリがたまると、ホコリに通電して発火に至るトラッキング現象が起きる可能性があり、そのまま大規模な火災に発展することもあります。少なくともエアコンを使い始める時季、使い終わった時季、数日間外出するときなどには、プラグを一度コンセントから抜いて、ホコリがたまることを防ぎましょう。

室外機の周りの点検

ツタがからまる室外機

エアコンの室外機の周りも、物が置かれていたり、通気口がふさがれていたりしないか、時々確認しましょう。通気口がふさがれていると、冷暖房能力の低下や電気代の上昇を招きます。

エアコンを使用するシーズンを迎える前に試運転

夏を迎えて暑くなる前に、エアコン(冷房)の試運転を行いましょう。暑くなった後で故障していることが発覚した場合、エアコンなしで厳しい暑さにさらされることになります。しかもその時期はエアコンの修理業者への修理の依頼が増えるので、修理してもらうのに何日も待たなくてはならない可能性もあります。

試運転の時期は4月から5月が推奨されています。手順は以下の通りです。

  1. プラグをコンセントの間にホコリがたまっていないことを確認(トラッキング現象防止)
  2. 室外機の周りに物が置かれていたり、室外機に異物が入り込んだりしていないことを確認
  3. 設定温度を冷房の最低値に設定して10分程度運転
  4. 冷風が出ていること、異常を示す表示などが出ていないことを確認
  5. さらに30分程度運転して、水漏れ、異音、異臭などがないことを確認

上記の通り、試運転の前に室外機の周りをよく確認しておきましょう。特に一戸建て住宅の場合は、しばらく使っていない間に室外機のファンにツタなどがからまっている可能性があります。そのままエアコンを使用すると、空調機能が弱まるばかりか故障の原因にもなります。

専門業者による定期的な点検

エアコンの点検

費用はかかりますが、専門業者による定期点検を受けることも、トラブルの未然防止には有効です。専門業者は必要に応じて修理や内部のクリーニングなども実施してくれるので、安全面だけでなく衛生面でも安心が得られます。

製造から10年以上経過しているエアコンは買い替えを検討する

現時点でエアコンが故障していなくても、製造から10年以上経過しているエアコンの継続使用には注意が必要です。

エアコンのメーカーは、製品の製造終了から9年間は交換用の部品を保有することを法律で義務付けられています。逆に言えば、製造終了から9年以上経過している製品は、メーカーが部品を持っていない可能性が高くなります。

一般的に、エアコンの新製品が発売されてから製造を終了するまでの期間は1年間程度です。発売から10年以上経過したエアコンは、故障した場合に修理することが困難になります。

また、エアコンには「長期製品安全表示制度」という制度に基づき「設計上の標準使用期間」が、製造年と共に本体に明示されています。標準使用期間を超えて使用すると、経年劣化による発火やケガなどの事故に至る可能性があると注意喚起されています。

設計上の標準使用期間

設計上の標準使用期間の掲示例

エアコンの設計上の標準使用期間は概ね10年とされています。10年に設定されている背景としては、10年以上経過すると故障率が大きく上がるというデータが存在するのだと推定されます。

近年のエアコンは省エネ性能が高くなっています。2024年に発売されたエアコンの消費電力は、10年前の2014年の製品と比べて、14%下がっているというデータがあります。古いエアコンを買い替えることが、故障や発火・事故の未然防止に加えて、省エネにもなります。エアコンを長年使用している場合は、特に故障や不調がなくても、買い替えを検討するとよいでしょう。

信頼できる業者の選び方

エアコンのトラブルは独力での解決が難しいケースが多く、エアコンの修理業者や電気工事業者に依頼して解決する形になります。

業者を選ぶ際は依頼価格も気になるところですが、電気を扱う設備に欠陥があれば火災などの事故につながるおそれがあるので、安全であることが重要です。安全確実に作業・工事を実施してもらうことを重視して業者を選びましょう。そのために着目するべきポイントは以下の通りです。

登録電気工事業者である

漏電の調査、分電盤の交換や、電気回路の増設といった、電気工事士の資格が必要な調査や工事を依頼するときは、業者が「登録電気工事業者」であることを、業者のWebサイトなどで必ず確認しましょう。

登録電気工事業者とは、営業所の名称や、在籍している主任電気工事士の氏名などを、経済産業大臣または都道府県知事に届け出ている業者のことです。登録電気工事業者でなければ電気工事を請け負うことはできないので、登録されていないのに請け負っている業者は、電気工事業法に違反しています。

見積書の内容が明瞭である

業者に正式に依頼する前に、必ず見積書を出してもらいましょう。このとき、全ての費用をまとめた「一式」の料金ではなく、工事費や材料費、出張費などの、項目ごとの費用が詳細に記載されているか確認しましょう。

見積書の記載内容があいまいな業者は、後から追加費用が発生したり、実際には不要な工事を実施して請求をしてきたりするおそれがあります。

専門知識がない人にもわかりやすく説明してくれる

エアコンや住宅の電気設備の問題点がどこにあるのか、なぜこの工程が必要なのかといったことを、専門知識がない人にもわかりやすく説明してくれることが、業者の誠実さや信頼性、技術力の目安になります。

まとめ

エアコンの使用時にブレーカーが落ちる原因は、電気の使い過ぎ、エアコンの故障、エアコンや電気設備からの漏電など、さまざまです。どのブレーカーが落ちているのかを把握してから、対処しましょう

電気を使いすぎている場合は、消費電力の大きな家電をエアコンと同時に使わないようにするなど、電気の使い方を工夫してください。

一方、エアコンの修理・交換が必要な場合は、エアコンの専門業者に任せましょう。

また、住宅の電気設備の修理・改修が必要な場合は、電気工事士が在籍している登録電気工事業者でなければ実施できません。無資格で実施すると違法であるのみならず危険なので、信頼できる電気工事業者に依頼してください。

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