ブレーカーの交換にかかる費用はどれくらい?交換が必要になる状況も解説
この記事の監修者兼ライター
小野雄人
東京大学工学部電気工学科・東京大学大学院工学系研究科電気工学専攻修士課程を修了。鉄道の信号部門に関連する研究開発業務や、鉄道会社の現場での勤務を経験。2022年に独立・フリーライターに転身、記事の執筆や監修・編集を手掛けている。保有資格:技術士(電気電子部門)
住宅のブレーカーが頻繁に落ちる、落ちたブレーカーが上がらないといったトラブルを抱えていないでしょうか? ブレーカーの不調を放置すると、不便なだけでなく、火災などのさらに大きなトラブルに発展する可能性があるので、早めの点検や交換が大切です。ブレーカーの交換は、1万円から4万円程度で行えます。アンペアブレーカーという種類のブレーカーは、原則として無料で交換できます。
この記事では、ブレーカーの交換などにかかる費用の相場に加えて、どのようなときに交換が必要になるのかを解説します。
目次
ブレーカー交換の費用相場
最初に、ブレーカーの交換にかかるおおまかな費用の目安を表で示します。一般的に、電気工事業者にブレーカーの交換を依頼すると、材料費だけでなく、工事費、出張費などがかかりますが、それらの諸費用も含めた相場です。費用はあくまで目安で、住宅の状態や、交換するブレーカーの個数などによって大きく変動する可能性があります。
| 工事内容 | 費用相場 |
| 漏電ブレーカーの交換 | 20,000円~40,000円 |
| 安全ブレーカーの交換 | 10,000円~20,000円 |
| アンペアブレーカーの交換 | 原則無料 |
| ブレーカーに加えて分電盤も交換 | 80,000円~200,000円 |
分電盤とは、各種ブレーカーがまとめて設置されている電気設備です。ブレーカーに関するトラブルの内容次第では、分電盤の交換も必要になることがあります。分電盤の交換にかかる費用については、以下の記事でより詳しく解説されているので、参考にしてください。
>> 分電盤の交換費用はいくら?いつ、誰に頼めばいいの?徹底解説
業者に見積を依頼した結果、相場を大幅に上回るような金額(例えばブレーカーの交換に50万円以上かかる、など)を提示された場合は、依頼を見合わせた方がよいでしょう。
電気は目に見えないということもあり、電気設備のトラブルは、原因や解決策などが素人にはわかりにくいという実態があります。依頼者の知識が乏しいことにつけこんで、不要な工事の提示や、明らかに相場よりも高額な工事費の提示を行って、高額請求をする悪質な業者の存在が見受けられます。
一方、相場よりも明らかに安い、例えば2,000円といった価格を提示してくる業者も避けた方がよいでしょう。住宅に設置されている電気設備を修理する以上は、修理業者は技術者を派遣する必要がありますが、2,000円ではその技術者の人件費すら賄えません。何らかの名目で後から費用が追加されていき、事前に提示された価格ではおさまらない可能性が極めて高いといえます。
費用に関する解説は以上ですが、住宅のブレーカーにトラブルが起きているときには、まずはトラブルが起きているのはどのブレーカーなのかを判断しなければなりません。また、どのような状況下においてブレーカーの交換だけで問題が解決するのかは、簡単には判断できません。
そこで本記事では、ブレーカーや、ブレーカーが設けられている分電盤の役割と、ブレーカーの交換が必要な状況について詳細に解説していきます。
分電盤・ブレーカーの種類と役割
ブレーカーが落ちるなどのトラブルが発生したときは、まずはブレーカーが設けられている分電盤のある場所へいって、ブレーカーの状態を確認しましょう。分電盤が設置されている場所は住宅によって異なりますが、玄関、洗面所、台所、クローゼットなどの壁に設置されていることが多いです。
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分電盤の例(アンペアブレーカーあり)
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分電盤の例(アンペアブレーカーなし)
分電盤
分電盤は、住宅への電気の入口となっている設備です。名前の通り、住宅内の各地へと電気の分配を行っています。また、各種のブレーカーが設置されていて、電気を安全に使用するための要となる設備でもあります。
アンペアブレーカー
アンペアブレーカーは、電力会社との契約アンペア数を超える電気を使用したときに、電気を遮断する(止める)ブレーカーです。「契約ブレーカー」「サービスブレーカー」と呼ばれることもあります。分電盤の左側に配置されていることが多く、一般的にサイズが大きいことも特徴です。
なお、アンペアブレーカーによってアンペア数の制限が行われるのは、北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力、九州電力のエリアに限られます。関西電力、中国電力、四国電力、沖縄電力のエリアでは、最低料金制という料金制度が採用されていて、分電盤にアンペアブレーカーは基本的に設置されていません。住んでいる地域がどの会社のエリアかわからない場合は、以下の資料で確認してください。
また、近年はアンペアブレーカーの代わりに、スマートメーターと呼ばれる電力計によってアンペア数の制限を行っていて、分電盤にアンペアブレーカーが設けられていないこともあります。スマートメーターは、電力量の数値の表示がデジタル方式になっているので、旧来のアナログ式の電力計とは容易に見分けられます。

スマートメーター(右)
スマートメーターを使用している場合は、電力会社との契約アンペア数を超える電気を使用すると、アンペアブレーカーが落ちた場合と同様に停電しますが、一定時間経過後に電気が復旧します。当然のことながら、電気を使いすぎている状況を放置すると再び電気を止められてしまうので、使用中の家電などのスイッチを切って、契約アンペア数を超えないようにしましょう。
漏電ブレーカー
漏電ブレーカーは、住宅内のどこかで漏電が起きたときに電気を遮断するブレーカーです。アンペアブレーカーが設置されている場合は分電盤の中央付近に、アンペアブレーカーがない場合は中央または左側に設けられていることが一般的です。
漏電は、電気が電線などから漏れ出すことで、感電事故や電気火災につながることもある危険な現象です。そのため、漏電を検知して、直ちに電気を遮断するための漏電ブレーカーが設けられています。
漏電ブレーカーの設置は、現在は義務化されています。しかし、義務化された1995年以前に設置された分電盤には、漏電ブレーカーがついていない可能性もあります。漏電が発生しても検知できないのは危険なので、漏電ブレーカーを追加で設置してもらうことを推奨します。
安全ブレーカー
安全ブレーカーは、分電盤から住宅内の各部屋やコンセントへ分岐した回路の、1つ1つに設けられているブレーカーです。1つの回路で電気を使いすぎているときに、その回路の電気だけを遮断します。「サーキットブレーカー」「配線用遮断器」と呼ばれることもあります。分電盤の右側に設けられていることが一般的です。
一般的に、遮断するのは20アンペア以上の電流が流れたときです。大きな電流が流れる原因としては、単純に電気を使いすぎていることや、回路に異物が入り込むことによるショート(電気が近道をすること)などが考えられます。
ブレーカー交換が必要になる状況
例えば、漏電ブレーカーが落ちる原因は基本的には漏電の発生であり、対処するべきことは漏電の原因を解消することです。このように、ブレーカーが本来想定されている通りの要因で落ちている場合は、ブレーカーを交換する必要はありません。
しかし、以下のような状況の場合は、ブレーカーの交換が必要になります。
ブレーカーが頻繁に落ちる、または上がらない
特に電気を使いすぎている状況でもないのにアンペアブレーカーや安全ブレーカーが頻繁に落ちている、またはそもそもブレーカーが上がらなくなっていないでしょうか? このような場合はブレーカーそのものの故障が考えられ、故障しているブレーカーは交換する必要があります。
ブレーカーが上がらないときの対処方法については、下記の記事を参考にしてください。
>> ブレーカーが上がらない!原因と正しい復旧方法を種類別に紹介
ブレーカーから異音や異臭がする、不自然に発熱している
ブレーカーから異音や異臭がしたり、不自然に発熱したりしている場合は、ブレーカーに異常が起きている可能性が考えられます。発火などの危険な事象に至る可能性があります。
ブレーカーの外観が損傷している
ブレーカーがひび割れている、溶けているなど、外観上の損傷が見受けられる場合は、そのまま使用を継続するのは危険が伴います。例えば、損傷している部分から漏電する可能性や、ブレーカーが電気を遮断するべきときに機能しない可能性が考えられます。
漏電ブレーカーがテストボタンを押しても落ちない

漏電ブレーカーには動作確認を行うためのテストボタンが設けられています。漏電ブレーカーの機能が正常であれば、テストボタンを押すとブレーカーが落ちて停電します。このとき「漏電・過電圧表示」(一例)と表記されたボタンが飛び出しているので、押し戻してからブレーカーを復旧させます。テストボタンを押したときに、ブレーカーのレバーが落ちないタイプのブレーカーもあるので、そのときはレバーを一度手で下げてからもう一度押し上げて復旧させます。
テストボタンを押してもブレーカーが落ちないときは、漏電ブレーカーが故障していると考えられます。漏電が発生しても検知できないと危険なので、可能な限り速やかに漏電ブレーカーの交換手配をしましょう。
ブレーカーが寿命を迎えている

家庭用のブレーカーは、製造から13年で交換することが推奨されています。寿命が尽きたブレーカーは、部品の劣化によって落ちやすくなったり、逆に電気を遮断できなかったりする可能性があります。
ブレーカーが明らかに古い場合は、トラブルを未然に防止するために交換した方が安全です。
契約アンペアを変更する
電気の使い過ぎでアンペアブレーカーが落ちてしまう問題を手早く解決するには、電気の使用を制限することになります。しかし、どうしても多くの電気を使いたいのなら、電力会社との契約を変更して、契約アンペア数を引き上げる必要があります。
アンペアブレーカーが設置されている住宅の場合は、契約アンペア数を変更するために交換が必要です。契約変更の内容や住宅の電気設備の状態によっては、漏電ブレーカーなどの他のブレーカーや、分電盤自体を交換する必要が生じることもあります。
アンペアブレーカーは住んでいる地域の一般送配電会社(例:関東地方であれば東京電力パワーグリッド)の所有物なので、アンペアブレーカーの交換だけならば費用は原則として無料です。
契約アンペアの変更は、契約中の電力会社に連絡して行います。下記の記事で詳しく解説しているので、ご覧ください。
>> 電気の契約アンペアを変更するときに費用の支払いや工事は必要?状況別に解説
給電方法を変更する
住宅内の一部の電気回路の電圧を100ボルトから200ボルトに上げる場合は、その回路の安全ブレーカーを200ボルトに対応した物に交換する必要があります。
他にも、住宅をオール電化にするときや、太陽光発電パネルや蓄電池を導入するときには、分電盤の交換が必要になることがあります。分電盤を交換するときには、交換前に使用していたブレーカーはそのまま使用せず、ブレーカーも交換することが一般的です。
漏電ブレーカーが落ちるときの対処方法
漏電ブレーカーが落ちるときは、実際に住宅内で漏電している可能性が高いと考えられますが、漏電ブレーカーが故障している可能性も否定はできません。
漏電がどこで起きているのかを特定できれば、漏電ブレーカーの故障ではなく実際に漏電が起きていることがわかります。漏電ブレーカーに漏電の発生場所を知らせる機能はありませんが、安全ブレーカーのオンオフ操作などと併用することで、発生場所を絞り込めます。また、漏電が起きるとは考えられない状況で漏電ブレーカーが落ちるようであれば、漏電ブレーカーが故障している可能性が高いことがわかります。
ただし、この操作は特別な資格がなくても行えますが、感電対策を適切に実施しないと感電してしまうリスクがあります。また、漏電が発生している場所が絞り込めても、ブレーカー、コンセントや配線などの修理が必要な場合はプロの電気工事業者でなければ実施できません。感電などの危険に対する不安があるならば、最初からプロに調査を依頼した方が安全でしょう。
漏電を放置すると、感電や電気火災に至る危険性があるので放置は厳禁です。漏電ブレーカーが落ちるときの対処方法については、下記の記事も併せて参考にしてください。
>> 漏電の直し方は?自分でできる対処法と電気工事業者に依頼するべきことを解説
なお、文中に「電気工事業者に相談」という旨の表現が出てきますが、賃貸住宅に住んでいる場合は、まずは大家さんや管理会社などの管理者に連絡してください。
漏電発生箇所の特定方法

漏電ブレーカーが落ちたときは、漏電ブレーカーや安全ブレーカーのオンオフを行っていくことで、どの安全ブレーカーにつながっている回路で漏電が起きているのかを絞り込めます。
ただし注意点があります。漏電によって漏れ出た電気は、分電盤やブレーカーの表面を流れることも、可能性としてはありえます。感電する危険性があるので、ブレーカーを操作する際には、低圧ゴム手袋(電気を通さないようにゴムで作られた手袋)を手に装着してください。一般的なゴム手袋でもある程度の感電防止効果は期待できますが、メーカーは効果を保証していないので、自己責任で使用することになります。
ブレーカーを操作する手順は以下の通りです。
- 安全ブレーカーを全て落とす
- 漏電ブレーカーを上げる
- 安全ブレーカーを1つずつ上げていく
- 安全ブレーカーを上げたときに漏電ブレーカーが落ちた場合は、その安全ブレーカーを再度落とす
- 漏電ブレーカーを上げる
- 漏電ブレーカーが落ちたときに上げた安全ブレーカーは落としたままにしておき、他の安全ブレーカーを1つずつ上げていく
2の段階で漏電ブレーカーが落ちてしまう場合は、漏電ブレーカーから安全ブレーカーまでの配線の間で漏電が起きているか、あるいは漏電ブレーカーの故障だと考えられます。いずれにしても、電気工事業者でなければ解決できない問題です。
4の操作で漏電が発生している回路を特定できたら、その回路の安全ブレーカーはオフにしたままにしておきます。安全ブレーカーをオフにしている回路では電気を使用できなくなりますが、他の回路は問題なく電気が使用できます。
特定ができない場合は、電気工事業者に相談する必要があります。
漏電が発生している機器の特定方法

漏電が発生している回路を特定できた後は、その回路で使用している家電や照明、延長コードのプラグの抜き差し、家電・照明のスイッチのオンオフを行うことで、漏電の発生箇所をより細かく絞り込めます。なお、引き続き低圧ゴム手袋などの感電対策は必要です。
手順は以下の通りです。
- 漏電が発生していることがわかった箇所で使用している家電や照明のスイッチを切り、全てのプラグをコンセントから抜く
- 落としたままにしておいた安全ブレーカーを上げる(漏電ブレーカーが落ちた場合は終了)
- コンセントから抜いておいたプラグを、コンセントに1つずつ差し込んでいく
- 家電や照明のスイッチを1つずつ入れていく
2の手順を実施した時点で漏電ブレーカーが落ちた場合は、その回路の配線に問題があるか、安全ブレーカーの故障だと推測されます。いずれの場合も、プロの電気工事業者でなければそれ以上の調査や修理は不可能です。安全ブレーカーを落としてから、漏電ブレーカーをオンに戻してください。
3の手順を実施した時点で漏電ブレーカーが落ちた場合は、そのときプラグを差し込んだ家電や照明、延長コードなどで漏電が起きていると考えられます。念のため、別のコンセントの差込口にプラグを差し込んで、同様に漏電ブレーカーが落ちるのかを確認しておくとより確実です。漏電ブレーカーが落ちるようならばその器具の問題で、落ちないならば住宅側のコンセントや配線などに問題があるということになります。
家電などの器具で漏電が起きていた場合は、プラグを抜いて使用を止めれば、問題なく電気を使用できるようになります。
4の手順を実施したときに漏電ブレーカーが落ちた場合も、そのときスイッチを入れた家電や照明が漏電の原因なので、プラグを抜いて使用停止すれば、問題なく電気を使用できます。
ここまでの手順を実施しても原因が特定できない場合は、電気工事業者に調査を依頼してください。
ブレーカーの交換はどこに頼む?
ブレーカーの交換が必要だと判明したときは早急に交換したいところですが、依頼先は住居の形態などによって変わります。
ブレーカー交換には電気工事士の資格が必要!無資格での交換は厳禁
最初に、ブレーカーの交換作業を実施するには、第一種電気工事士または第二種電気工事士の資格を持っている必要があります。資格を持っていない人が、DIYでブレーカーを交換することは厳禁です。
第二種電気工事士は、電気工事に関連する知識と技能を持っていることを試験によって認定されることで取得できる国家資格です。第一種電気工事士の資格取得には、試験の合格に加えて、電気工事の実務経験も必要です。
ブレーカーの交換のような電気工事では、作業者が感電するおそれがあります。また、工事に欠陥があると、火災などの事故につながります。そのため、電気工事は電気工事士の資格を持つ者でなければ実施できないと、電気工事士法によって定められているのです。
電気工事士法に違反した場合は罰金または拘禁刑に処されると定められています。しかし刑事罰以前の問題として、無資格者が自分で電気工事を行うことは大変危険なので、絶対に実施してはいけません。
【注意】賃貸住宅の場合はまず管理者に連絡

住んでいる住宅が賃貸住宅の場合は、まずは大家さんや管理会社に連絡をして、ブレーカーのトラブルの状況を報告して、どのように対応するべきか指示を受けてください。
民法第606条には「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う」と記されています。分電盤に設置されているブレーカーの交換は、民法第606条の示す修繕の範囲内といえるので、物件の管理者に交換手配の実施や費用負担の義務があるのです。
逆にいえば、管理者に無断でブレーカーの交換を行うと、トラブルになる可能性があります。本来は管理者負担となるはずだった費用の負担を拒否されるおそれもあるでしょう。
また、民法第606条には「賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない」とも記されています。住人の故意・過失でブレーカーが故障した場合も、住人の負担で交換することになる可能性があります。
持ち家・分譲マンションのブレーカー交換は自分で手配
一戸建ての持ち家の場合は、基本的にブレーカー交換に関する手配は自分で行うことになります。
分譲マンションの場合も、ブレーカーが設けられている分電盤は、マンションの共用部分ではなく住民の専有部分の設備なので、基本的に自分で交換の手配を行います。
以下、自分で手配するときのポイントや依頼先について解説します。
アンペアブレーカーの交換は送配電会社へ連絡
アンペアブレーカーは、地域の送配電会社(住人が契約している電力会社ではありません)が所有しているものです。アンペアブレーカーの故障などで交換が必要なときは送配電会社に連絡してください。交換費用は基本的に無料です。
漏電・安全ブレーカー交換も、まずは送配電会社への相談を推奨
漏電ブレーカーや安全ブレーカーは住人の所有物なので、送配電会社は原則としてブレーカーの交換は行いません。それでも、まずはブレーカーのトラブルに関して送配電会社に相談してみることを推奨します。
送配電会社は、ブレーカーの故障に限らず、住宅で電気が使えなくなるトラブルに関する連絡を受け付けています。連絡すれば、なぜトラブルが起きているのか、どうすれば解決するのかといった助言を受けられます。また、本格的な修理はしてくれなくても、応急処置をしてくれる場合があります。
電気工事業者に依頼
漏電ブレーカーや安全ブレーカーを実際に交換する際には、自分で交換を依頼する業者を選んで連絡する必要があります。電気工事士が在籍している電気工事業者ならば、交換工事を実施する有資格者に直接相談できるのが安心できるポイントです。ただし、業者を選ぶ際には、本当に信頼できる業者なのかを自分で見極める必要があります。
家電量販店・ホームセンターなどに依頼
電気工事業者以外の業者、例えば家電量販店、街の電気店、ホームセンターなどの業者も、ブレーカー交換の依頼を受け付けている場合があります。日常生活でなじみのある業者なので、電気工事業者に直接連絡するよりは連絡しやすいでしょう。
ただし、ブレーカーの交換工事には電気工事士の資格が必要なので、実際に住宅を訪問して交換工事を行うのは、電気工事業者になるケースが多いと考えられます。間に入った業者に仲介料を支払う形になるので、電気工事業者に直接依頼した場合と比べて割高になる可能性があります。
ブレーカー交換工事の所要時間と当日のための準備
工事にかかる時間は、ブレーカーの交換だけであればそれほど時間はかかりません。30分から1時間程度です。ブレーカーの種類や個数などで所要時間は変動します。
工事をスムーズに進めるためには、事前の準備が大切です。まずは、電気工事業者に適正な内容の工事をしてもらうために、トラブルの内容を書き出して整理しておきましょう。
分電盤の周りに物がある場合は移動させておき、作業のためのスペースを確保しましょう。
工事の時間は短いものの、ブレーカーを交換する際には停電が発生します。特に暑い季節は、冷蔵庫の中身の状態や、熱中症などに注意しましょう。
施工後は、電気設備に異常がないことを確実に調べてもらいましょう。業者が帰る前に、実際にブレーカーを動かしてみたり、検査結果が記された書面に目を通したりすることを推奨します。
信頼できる電気工事業者の選び方
ブレーカーの交換を依頼する電気工事業者を選択するとき、値段だけで選ぶのは避けた方がよいでしょう。電気設備は毎日使用する設備であり、交換工事に不備があれば火災などの事故が発生するおそれを常に抱えながら生活することになります。安全に施工してもらうために、信頼性の高い業者を選択することが重要です。
信頼できる電気工事業者を選ぶためには、以下のポイントに着目しましょう。
電気工事士が在籍する登録電気工事業者である
依頼を検討している業者が「登録電気工事業者」であることを、業者のWebサイトなどで必ず確認しましょう。
電気工事は、電気工事業法に基づいて事業者名や主任電気工事士の氏名などを届け出ている、登録電気工事業者でなければ行えないことが定められています。登録電気工事業者以外の業者がブレーカー交換などの電気工事を行うことは、電気工事業法違反です。
見積書の内容が明瞭である
作業を実施してもらう前に、必ず見積書を出してもらいましょう。このとき、見積書に記されている金額が、工事費、材料費、出張費などといった項目ごとに分けて記載されていることを確認してください。「一式」などといった名目の金額だけが記されている場合、後から不明瞭な名目の追加請求が行われる可能性が否定できません。
電気の専門知識がない人にもわかりやすく説明してくれる
既に解説したように、電気に関する専門知識のない人にとって、電気設備のトラブルの原因や解決策は理解することが難しいものです。業者側に悪意があれば、不要な内容の工事を依頼者に提案して、不当に高い工事費を支払わせることが容易にできてしまいます。
電気の知識がない人に、わかりやすく誠実な説明をしてくれるかどうかが、業者の信頼性の目安となります。そして、工事の内容に納得したうえで、契約を結ぶようにしましょう。
まとめ
分電盤に設置されているブレーカーの交換には電気工事士の資格が必要です。無資格での交換は危険なので決して行わないようにしましょう。電気工事業者に漏電ブレーカーや安全ブレーカーの交換を依頼したときにかかる費用は、1万円から4万円程と見込まれます。また、アンペアブレーカーの交換には費用はかかりません。
ブレーカーが故障していると、電気が正常に使えなくて不便なだけにとどまらず、発火などの危険な事態に至る可能性も考えられます。早急に電気工事業者を手配して、交換した方がよいでしょう。
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この記事の監修者兼ライター
小野雄人
東京大学工学部電気工学科・東京大学大学院工学系研究科電気工学専攻修士課程を修了。鉄道の信号部門に関連する研究開発業務や、鉄道会社の現場での勤務を経験。2022年に独立・フリーライターに転身、記事の執筆や監修・編集を手掛けている。保有資格:技術士(電気電子部門)
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