洗面台の汚れ落としの方法は？水垢・石鹸カス・カビなど原因別に落とし方を解説

洗面台の汚れの落とし方を知るためには、まず汚れの原因（水垢・石鹸カス・皮脂など）を把握することが大事です。
本記事では、主な汚れの原因と、それぞれの汚れの性質に合った掃除方法をご紹介します。重曹・クエン酸・洗剤などの身近なアイテムを活用した掃除方法や、掃除の注意点、汚れ帽子のコツを解説するので、ぜひ参考にしてお試しください。

洗面台に汚れができる原因とは？

洗面台に生じる主な汚れは、日々の手洗いや洗顔などの際に付着・蓄積していく成分が原因となっています。

（1）水垢

水道水は多くのミネラル成分を含んでいます。洗面台に付着した水分が蒸発するときに、このミネラルが空気中の酸素・二酸化炭素と反応して白く固まります。これが水垢です。

（2）石鹸カス

石鹸や一部の洗顔フォームに含まれる成分が洗面台に残ると、黒ずみ・黄ばみ汚れの原因となる場合があります。

（3）カビ

高温多湿で、カビの栄養となるホコリ・水垢などの汚れが溜まりやすい洗面所や洗面台には、カビが発生・繁殖しやすい条件がそろっています。

（4）皮脂汚れ

手洗い・洗顔などの際に洗面台に付着した皮脂は、ホコリと混ざって頑固な黄ばみ汚れとなる場合があります。また時間経過で酸化して黒ずみ汚れとなりやすいです。特に蛇口付近は手垢による皮脂汚れが多く発生します。

（5）金属のサビ

蛇口・排水口・ステンレスなどの金属に水が触れる状態が続くと、腐食によりサビが生じる可能性があります。金属部分が酸素や水に触れることで酸化し、青緑色のサビが発生します。
また濡れたまま放置されたヘアピンやカミソリなどから生じたサビが、洗面台の表面に移って茶色い「もらいサビ」ができることもあります。

（6）金属石鹸

石鹸カスや皮脂が、水道水に含まれる金属成分（カルシウムなど）に反応すると、金属石鹸と呼ばれる白く濁ったザラザラとした頑固な汚れを生み出します。

（7）カルキ

カルキは、次亜塩素酸カルシウム（塩素を含んだ塩化石灰）のことです。水道水にごくわずかに含まれている場合があり、外気に触れると白く固まり、落としにくい頑固な汚れになります。

ただしカルキは、現在の水道水にはほとんど含まれません。そのため、洗面台などで見られる白い汚れは水垢汚れである可能性が高いです。なお昔の水道水に多く含まれていた名残から、今でも白い汚れが「カルキ汚れ」と呼ばれる場合があります。

洗面台の汚れの落とし方を原因別に解説

ここからは、水垢など汚れの原因に合った掃除方法をご紹介します。

アルカリ性の汚れには酸性の洗剤、酸性の汚れにはアルカリ性の物を用いて「中和すること」が、汚れ落としの基本です。

（1）水垢・石鹸カスの掃除方法

水垢や、黒ずんだタイプの石鹸カス（金属石鹸ではない汚れ）は、アルカリ性です。酸性のアイテムで掃除するか、削り取る方法が効果的です。

#1：激落ちくんなどのメラミンスポンジでこする

ダイソーなどの100円ショップで購入できるメラミンスポンジは、便利な掃除用品の一つ。使用したい場合には、メラミンスポンジに水をたくさん含ませてから、水滴が少し垂れる程度まで軽くしぼった後、軽くこすります。汚れが浮き上がってきたら、水拭きで仕上げましょう。

ただし研磨作用が強く素材を傷つけてしまうリスクがあるため、注意が必要です。特に陶器製以外の洗面台やコーティング加工されている物には、使わないほうが無難でしょう。

#2：重曹で磨く

重曹は細かい粒子が汚れを研磨して落とす作用をもっており、その研磨効果で、こびりついた汚れを落とす方法もあります。重曹は水垢・石鹸カス汚れに対してだけではなく、ぬめりにも効果的です。

一度で落とせない頑固な汚れの場合は、水の比率を多くするか、重曹を直接振りかけてからスポンジでこすってみてください。

#3：クエン酸水をスプレーしてこする

クエン酸水による掃除は、アルカリ性の汚れを落としやすいです。ただし金属や天然大理石などの素材は、クエン酸の影響でサビ・変色が生じる場合があるため、ご注意ください。

#4：重曹とクエン酸を両方かける

排水口周りには、水垢・石鹸カスといったアルカリ性汚れだけではなく、皮脂など酸性の油汚れも蓄積しがちです。アルカリ性と酸性どちらの汚れも落としたいときには、クエン酸（酸性）と重曹（アルカリ性）を使った掃除が適しています。

汚れが残ってしまう場合は、スポンジでやさしくこすり落としましょう。

#5：サンポールなどの酸性洗剤を使う

市販の酸性洗剤もおすすめです。代表的な製品はトイレ掃除でよく使われるサンポールですが、洗面台のアルカリ性汚れに対しても有効です。ただし陶器以外（金属・大理石・人造大理石製など）の素材への使用は、腐食などのおそれがあるため避けましょう。

強力な洗剤であるため、使用後は放置しすぎないよう注意しましょう。

#6：クリームクレンザーでこすり洗いする

研磨剤が含まれているクリームクレンザーでも、水垢汚れを落とせます。特に削り落としたい頑固な水垢汚れがある際に有効な方法です。
粉末タイプのクレンザーは研磨力が強く素材を傷つけるリスクがあるため、クリームタイプを使いましょう。

#7：酢を使用する

クエン酸の代用として、酸性であるお酢も使えます。料理用の物でOKです。

（2）カビの掃除方法

カビの掃除には、汚れ具合に応じて重曹・アルコール・塩素系漂白剤を使い分けましょう。

#1：重曹をつけてこする｜軽いカビの場合

出典：amazon（激落ちくんの重曹 粉末タイプ／レック）

軽いカビであれば、重曹で落とせる可能性があります。

カビが液ダレしてしまうと困る場合や、落ちにくい黒カビの場合は、スプレーではなく重曹ペーストを使うとよいでしょう。
なかなか落ちない場合は、重曹ペーストを塗布後、ラップをかけてパックし、重曹にカビを浸透させてからこすり洗いしてみてください。

#2：アルコールと中性洗剤を使用する｜赤カビ・黒カビの場合

出典：amazon（アルコール77％ 製剤a／BY ROLAND ）

出典：amazon（ウタマロクリーナー／ウタマロ）

赤カビと呼ばれるロドトルラ菌や、黒カビを除去したい場合は、アルコールが効果的です。
赤カビは人体への悪影響は少ないですが、有害な黒カビの栄養源となってしまうため、いずれも早めに除去することが大切です。

#3：塩素系漂白剤で落とす｜頑固なカビ

出典：amazon（キッチン泡ハイター 台所用漂白剤 ハンディスプレー 無臭性／花王）

アルコールはカビの除菌はできますが、漂白する力はありません。そのため黒カビの色素も取り除きたい際は、塩素系漂白剤を使いましょう。ただ金属部分に付着するとサビの原因になるため、お気をつけください。

また塩素系は刺激が強いため、使用時には換気をしましょう。なおかつ酸性の洗剤（クエン酸やお酢など）と混ざると大変危険なため、必ずご注意ください。

（3）皮脂汚れの掃除方法

皮脂（手垢など）や、化粧品などに含まれる油は酸性の汚れであるため、アルカリ性の物を用いて掃除しましょう。

#1：重曹スプレーを使う

軽い汚れであれば、弱アルカリ性の重曹スプレーを使って落とせる可能性があります。

#2：セスキ炭酸ソーダを使用する

セスキ炭酸ソーダは重曹よりもアルカリ性が強い（重曹のpHは8.2、セスキのpHは9.8程度）ため、酸性汚れに対する洗浄効果も強力です。

頑固な汚れの場合は、セスキ炭酸ソーダの量を小さじ2〜3杯程度に増やしてみるとよいでしょう。ただしこの場合は、最後にセスキを残さないよう二度拭きすることが大切です。

#3：オキシクリーンとお湯で掃除する

洗面ボウルの中をしっかり洗いたいときや、汚れが付着した小物を浸け置き洗いしたい場合には、オキシクリーンの活用が便利です。

（4）金属サビの掃除方法

蛇口・排水口は金属が使われており、サビが発生しやすい場所です。また濡れたヘアピンなどから生じた赤茶色のもらいサビが、洗面台の表面に付着することもあります。
サビの規模に合わせて、水の量などを調節しながら掃除していきましょう。

#1：メラミンスポンジで円を描くようにこする

出典：amazon（激落ちくん カット済み キューブ／レック）

表面についたサビは、メラミンスポンジで研磨すると簡単に落とせます。
ただし洗面台の表面に撥水加工のコーティングが施されている場合、メラミンスポンジが原因ではがれてしまう可能性があるためご注意ください。

#2：粉末の重曹を塗布してこする

出典：amazon（重曹／ヘルシーカンパニー）

ステンレス箇所のサビを落とす際には、重曹でも落とせる可能性があります。
掃除したい場所がアルミの場合は、重曹を使うと変色・腐食などの劣化につながるため使用は避けましょう。

#3：赤茶色のサビにはクエン酸水を使用

出典：amazon（暮らしのクエン酸／ミヨシ石鹸）

赤茶色いサビに対しては、クエン酸水が有効です。

#4：クリームクレンザーでサビを落とす

出典：amazon（クリーム クレンザー ジフ／ユニリーバ）

重曹などで落ちないサビの場合は、市販のクリームクレンザーで研磨する方法が効果的です。

（4）ザラザラした金属石鹸の掃除方法

出典：amazon（茂木和哉 液体 水アカ洗剤／茂木和哉）

ザラザラした白い金属石鹸は、アルカリ性の汚れです。酸性洗剤で中和させる方法が向きますが、おすすめは浴室用の研磨剤入り洗剤です。
陶器やコーティング部分などの洗面台表面を傷つける恐れがあるため、まずは目立たない箇所で試すとよいでしょう。

落ちない汚れを掃除する際の注意点

掃除のポイントは、使い方を誤らないことです。次の注意点を守るようにしましょう。

（1）素材に合わせた洗剤を選ぶ

陶器・ステンレス・人工大理石などの素材により、合う洗剤が異なります。
適さない洗剤を使ってしまうと、汚れの悪化や劣化につながるリスクがあるため、確認しながら使い分けることが重要です。

#1：陶器の洗面台

軽い汚れであれば、中性洗剤（浴室用・台所用など）を柔らかい布やスポンジ・メラミンスポンジに含ませて、こすり洗いしましょう。

#2：ステンレスなどの金属

金属部分は、塩素系漂白剤（キッチンハイターなど）を使うとサビや変色を招く恐れがあるため、ご注意ください。

#3：人工大理石の洗面台

人工大理石は樹脂で作られているため、酸性にもアルカリ性にも弱い特徴があります。そのためクエン酸やアルカリ電解水などを使うと、掃除した箇所にザラつきが目立ってしまいます。
また漂白剤も、表面が溶けてベタつきや黄ばみの原因となるため、人工大理石への使用は控えてください。

基本的には中性洗剤とスポンジで掃除をしましょう。落ちない場合は、研磨剤の含有量が20％未満程度のクリームクレンザーを使うのが無難です。

（2）塩素系漂白剤と酸性洗剤を混ぜない

塩素系と酸性の物を混ぜてしまうと、生死に関わるほどの有毒な塩素ガスが発生してしまいます。塩素系漂白剤は基本的に単体で使用し、クエン酸・酢などの酸性タイプの物と混ざらない（連続して使わない）ようご注意ください。

（3）ゴシゴシとこすりすぎない

洗面台の表面は、素材によってはメラミンスポンジなどに弱かったり、素材を保護するコーティングが塗装されていたりします。
ゴシゴシと強くこすりすぎると、洗面台の劣化やコーティングのはがれといったトラブルに発展するため、やさしく掃除しましょう。磨きすぎて表面に傷が付いてしまうと、汚れが溜まる原因になります。

例えば陶器の洗面台であれば、金属ブラシ・紙やすり・研磨剤入りのナイロンたわしの使用は控えるようにしてください。

洗面台の汚れを予防する方法

洗面台は、汚れの原因となる物質が付着して残りやすい環境です。できるだけ次の対策を行う習慣を身につけるとよいでしょう。

（1）使用後はすぐに水気を拭き取る

水分があると、水垢やカビが発生しやすくなります。洗面台を使った後は、水滴をすぐに拭き取るようにしましょう。洗面所の収納スペースに、雑巾やキッチンペーパーを常備しておくと効率的に作業できます。

できれば日々掃除をするのが理想的です。石鹸カスや化粧品などの汚れを放置すると、こびりついて落としにくくなります。皮脂とホコリが混ざるとやはり頑固な汚れになるため、日常的に手入れする習慣をつけるとよいでしょう。

（2）洗面所はこまめに換気し、湿気を溜めないようにする

水気を防ぐためには、湿気が溜まらないよう対策することも大切です。特に浴室と隣接する洗面所は、湿気がこもる傾向があるため、換気扇や窓を活用してこまめに換気しましょう。
自然換気が難しい場合は、除湿機やサーキュレーターの導入も検討してみてください。

（3）洗面台に直接物を置かないようにする

ハンドソープや歯磨き粉の底に付着した残りカスなどは、洗面台が汚れる原因になります。汚れが洗面台に直接触れないよう、浮かせるソープスタンドなどの活用で対策しましょう。
なるべく物を置かないのが望ましいため、不要な物が置きっぱなしになっていないか確認するのもおすすめです。

まとめ

洗面台の汚れ落としの基本は、素材や原因に適した掃除を行うことです。
日々、手洗い・洗顔や身だしなみチェックを行う洗面台では、汚れの原因自体を防ぐことは難しいですが、汚れを放置すると除去が大変になってしまいます。頻繁に掃除することが洗面台を美しく保つ一番のコツです！