ペットボトルで洗面台の排水の流れが遅いのを解消できる？代替方法もご紹介

「最近、洗面台の排水の流れが遅い」
「ペットボトルを使った解消法があるって本当？」

洗面台の排水の流れが悪いのは、髪の毛などの異物や石けんカス・皮脂汚れの詰まりで、排水口の流れが悪くなっていることが原因です。流れが悪い場合、身近にあるペットボトルを使って、簡単に詰まりを解消できるかもしれません。ペットボトルを使用する場合1.5〜2Lの大きめサイズで、丸い形状で柔らかいものがおすすめです。ただし、ペットボトルを使用した解消法は残念ながらあまり効果は期待できないため、あくまで応急処置にとどめてください。

本記事では、洗面台の流れが遅くなる原因やペットボトルを使用した解消法、ペットボトル選びのポイントもご紹介します。もし、ペットボトルを使用しても解消しない場合は別の対処法や、詰まりを防ぐ方法もご紹介しています。洗面台の排水の流れが遅いと感じている方は、ぜひ参考にしてください。

洗面台の流れが遅くなる原因

そもそも洗面台での排水の流れが悪くなる原因には何があるのでしょうか。何気なくしている行動も、排水の流れを悪くする原因となります。ここでは、洗面台の流れが悪くなる原因についてご紹介します。

（1）髪の毛などの異物が詰まる

洗面台の排水の流れが悪くなる主な原因は、髪の毛などが排水口や排水管に詰まることです。洗面台に落ちた髪の毛や髭などを水と一緒に流してしまうと、ヘアキャッチャーを通り抜けて排水管に流れ、徐々に蓄積して固まりとなってしまうのです。

（2）石けんカス・皮脂汚れが詰まる

洗面台の排水の流れが悪くなる原因として、石けんカスの蓄積も挙げられます。石けんや洗剤を使った後、十分に水で流さないと、石けんカスが排水管内に付着しやすくなります。

また、手や顔を洗った際に出る皮脂や髪の毛なども加わることで、これらが混ざり合い、頑固な汚れやぬめりとなって排水口や排水管に蓄積してしまうのです。雑菌も繁殖しやすくなってしまうため、悪臭やぬめり、カビの原因にもなります。

（3）ヘアピンやアクセサリーなどを落としてしまう

ヘアピンやアクセサリーなどの小物を洗面台に落としてしまうと、排水口の下にあるS字やP字の排水トラップ部分にとどまりやすく、詰まりの原因となります。小さな異物でも落とした小物をそのまま放置すると、排水管の中で髪の毛や石けんカスなどと絡み合い、徐々に排水の流れを悪くしてしまいます。

そのため、ヘアピンやアクセサリーなどを落とした場合は、できるだけ早く取り出すことが重要です。見える範囲であれば手や道具で取り出し、見えない場合は排水トラップを外して早めに取り除きましょう

ペットボトルを使用した洗面台の流れ改善方法

洗面台の流れが悪くなってしまった場合、ペットボトルを使って解消できるかもしれません。ペットボトルをラバーカップ（スッポン）の代用品とする方法です。手順は以下のとおりです。

（1）空のペットボトルを用意する

まず、空のペットボトルを用意してください。ペットボトルが大きいほど、より強い圧力がかかるため2Lサイズが効果的です。

（2）排水口の上にはまっているポップアップ・ヘアキャッチャーをなどをすべて外す

排水口の上にあるポップアップ排水栓・ヘアキャッチャーなどの部品は、すべて外す必要があります。これらがついたままだとペットボトルの飲み口を排水口に密着させられず、空気圧がうまく伝わらないからです。ポップアップを外す場合、多くの場合は基本的には特別な工具は不要で、指や割り箸、小さいスプーンなどで隙間に差し込んで引き上げるだけで外せるタイプが多いです。

ただし、洗面台の下側から排水栓と連結しているバーやナットを外す必要があるタイプもあり、その場合はナットを緩める工具が必要で、取り付け作業も初心者には難しいため、自信がない方は専門業者への相談を検討しましょう。

（3）蓋を外したペットボトルを排水口に垂直に差し込む

キャップを外した空のペットボトルの飲み口を排水口にしっかりと差し込みます。このとき、差し込みペットボトルの角度は、排水口に垂直に差し込むようにしてください。

（4）排水口に隙間がないようにペットボトルを密着させる

ペットボトルを排水口に垂直に差し込む際は、ペットボトルと排水口の間に隙間がないように密着させましょう。隙間があると空気圧が逃げてしまい、詰まり解消の効果が弱くなってしまうからです。

（5）ペットボトルを凹ませて空気を送り込む

 

密着させた状態のまま、ペットボトルを凹ませて排水口内に空気を送り込みます。

（6）空気を送り込む動作を10回程度繰り返す

ペットボトルを凹ませて排水口内に空気を送り込む動作を10回程度繰り返します。

（7）ペットボトルを勢いよくに引き抜く

ペットボトルを凹ませて排水口内に空気を送り込む動作を10回程度繰り返したら、ペットボトルを勢いよく引き抜き、詰まりが解消したか確認します。もし、詰まりが解消していなければ、（3）からの手順を何回か繰り返しましょう。

ペットボトルを使用する方法での詰まりの解消は状況によっては効果が期待できない場合もあります。詰まりが解消できなかった場合は、後述する「ペットボトルで洗面台の流れが解消されない場合の対処法」をご確認ください。

ペットボトル選びのコツ

ペットボトルを使用し洗面台の詰まりを改善する場合、以下の特徴を持つペットボトルがおすすめです。

（1）1.5〜2Lでサイズが大きいもの

サイズが大きいほど一度に送り込める空気量が増え、より大きな圧力をかけられるため、1.5〜2Lのペットボトルがおすすめです。

（2）指で凹ませられる柔かいもの

指で凹ませられる柔らかいペットボトルは、手の力で簡単に凹ませることができます。柔らかい素材のペットボトルなら、排水口に密着させた状態で素早く凹ませたり戻したりでき、詰まりの原因にしっかり空気圧を伝えられるからです。

（3）四角いボトルではなく丸い形状のもの

四角い形状のペットボトルより、排水口に隙間なくフィットしやすい丸いものがおすすめです。四角いペットボトルだと排水口に差し込んだときに隙間ができやすいのであまり効果が期待できません。

ペットボトルで洗面台の流れが解消されない場合の対処法

ペットボトルを使用しても洗面台の流れが解消しない場合は、以下の4つの方法を試してみましょう。

（1）ラバーカップで吸い上げる

出典：amazon（ラバーカップ デイリークリーン／山崎産業）

ラバーカップ（スッポン）は、ペットボトルで詰まりが解消できない場合に有効です。使い方は、排水口の蓋やゴミ受けを外し、オーバーフロー穴も塞いだ後に洗面台に水を溜めて、ラバーカップを排水口に密着させて押し引きを繰り返します。ゴムカップの圧力差で詰まりを押し流したり吸い上げたりする仕組みで、10回程度繰り返します。

軽い詰まりであれば、ラバーカップで解消できるケースがほとんどです。

（2）パイプクリーナーで汚れを溶かす

出典：amazon（パイプユニッシュ／ジョンソン）

ペットボトルで洗面台の流れが解消されない場合は、パイプクリーナー（液体配管洗浄剤）を使う方法も効果的です。パイプクリーナーは排水口に直接注ぎ、30分ほど放置してから水で洗い流すだけで、排水管内の髪の毛やぬめり、汚れを溶かして流れを改善します。ヘアキャッチャーや排水口のカバーを外してから使用すると、より効果的です。

（3）重曹と酢またはクエン酸で詰まりを流す

出典：amazon（重曹400g＋クエン酸500gセット／アレスヘルスケア）

出典：amazon（穀物酢／ミツカン）

重曹と酢またはクエン酸を使った詰まり解消法は、洗面台の排水口に溜まった軽度の汚れや詰まりに効果的です。手順は以下のとおりです。

この方法は、炭酸ガスが発生するので、換気をしっかり行いながら作業してください。また、水溶性の汚れや軽度の詰まりに有効ですが、固形物が奥に詰まっている場合は効果が期待できません。

（4）固形物詰まりはS字トラップを分解する

ペットボトルやラバーカップ、パイプクリーナーなどで洗面台の詰まりが解消しない場合、ヘアピンやキャップなどの固形物が原因でS字トラップ（排水管の曲がった部分）内に詰まっている可能性があります。この場合、S字トラップを分解して直接異物を取り除く方法がもっとも効果的です。手順は以下のとおりです。

S字トラップの分解は比較的簡単ですが、無理に力をかけると破損や水漏れの原因になるため、作業に不安がある場合は無理をせず専門業者への依頼しましょう。

自分で詰まりが解消しなければ専門業者へ

自分でペットボトルやラバーカップ、重曹・クエン酸などを使用して解消する方法を試しても洗面台の詰まりが解消しない場合、専門業者へ依頼しましょう。排水管の奥や床下など見えない部分で深刻な詰まりや異物が原因となっている可能性があるからです。

無理に作業を続けると、配管の破損や水漏れリスクもあるため、専門業者へ相談するのが安全で確実です。プロは高圧洗浄機や分解作業など、専用の機材や技術で原因を特定し解消してくれるので、早めの相談をおすすめします。

洗面台の流れが遅くなるのを防ぐ方法

洗面台の流れが遅くなる前に、予防策を講じておくと良いでしょう。ここでは詰まりを防ぐための効果的な方法をご紹介します。

（1）ヘアキャッチャーの周りを掃除する

ヘアキャッチャーの周りをこまめに掃除することは、洗面台の流れが遅くなるのを防ぐのに効果的です。ヘアキャッチャーには髪の毛やホコリ、石けんカスなどが溜まりやすいため、放置すると詰まりや悪臭の原因にもなります。掃除の手順は以下のとおりです。

この作業を定期的に行うことで、排水口や排水管へのゴミの蓄積を防げます。

（2）髪の毛などの異物を排水口に流さないようにする

髪の毛などの異物を排水口に流さないように、ヘアキャッチャーや網状のごみ受けを設置し、髪の毛やゴミが排水管に流れ込むのを防ぎましょう。洗面台を使った後に、髪の毛やゴミをこまめに取り除くのも効果的です。これらの方法で、排水口に異物が流れてしまうのを防止できます。

まとめ

この記事では「ペットボトルを使った詰まり解消法」をご紹介しました。ペットボトルはラバーカップの代用品として使えることがあり、軽度な詰まりであれば解消できる場合もあります。ペットボトルを排水口に垂直に入れ、排水口にしっかり密着させてから、ペットボトルを10回ほど潰して空気を送り込みます。このときにかかる圧力で、詰まりの原因となっている汚れや異物を押し流してくれるのです。ペットボトルさえあればすぐに試せるので、まずはこの方法を試してみましょう。

ペットボトルでの対応は応急処置の意味合いが強いことから、解消するためにはラバーカップや市販のパイプクリーナー、重曹と酢（またはクエン酸）を使った方法が効果的です。

それでも改善しない場合は、排水管の奥で詰まりが発生している可能性もあるため、無理に自分で対処せず専門業者に相談するのが安心です。

また、詰まりを防ぐためには、ヘアキャッチャーをこまめに掃除したり、髪の毛や異物を流さないように意識するのも大切です。日頃のひと手間で洗面台のトラブルを予防し、快適な日常を送りましょう。