【徹底解説】瓦屋根の雨漏りをDIYで修理する方法!必要なグッズも

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この記事の監修者兼ライター

徳良 仁
千葉県在住の兼業ライター。建設業界で現場経験を15年(建築3年・電気12年)経験したのち、日本最大の大手アパレルの出店開発部門で発注者としての施工監理を2年経験。現在はGAFAの1社で施設立ち上げ部門の管理職として従事。1級建築士・1級電気工事施工管理技士・第一種電気工事士も保持。日々の幸せは家族団らんを穏やかに過ごすこと。

「天井にシミができた」「雨が降るとポタポタ水が落ちてくる」など、突然の雨漏りは不安になりますよね。
「業者に頼むと高額になりそうだから、自分で補修できないかな」「脚立があれば届きそうだし、DIYで修理できるかも」と思っている方は多いのではないでしょうか?
雨漏りの原因によっては、DIYできる場合もあります。ただし、対処や道具を間違えると雨漏りが広がるうえ、高所作業で事故につながるリスクもあるため、注意が必要です。
この記事では、瓦屋根からの雨漏りの原因や自分でDIYできる範囲、業者に依頼すべき判断基準までわかりやすく解説しました。
記事を読めば、雨漏りした際の応急処置の方法と必要な道具がわかります。また、専門業者への相談すべき状況など、正しい知識を身につけることができます。
適切に対処して、長く安心して暮らせる家を維持していきましょう。
この記事でわかること
目次
DIYで瓦屋根を修理できるのはどんな時?
DIYで瓦屋根を修理できるのは、「修理できる条件」と「対応可能な内容」の両方を満たしている場合です。
DIYで修理できる目安 | |
条件 |
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内容 |
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DIYで修理できる条件
DIYで雨漏りを補修できるのは、以下の条件がすべてそろっている場合に限ります。
- 雨漏りの原因を特定できる
- 適切な知識や道具がある
- 脚立に上って手が届く範囲
自己判断で作業を進めると、かえって状況を悪化させるリスクがあります。また、屋根での作業は転落事故につながる危険性も伴います。
ご自身で本当に雨漏りを補修できるかどうか、まずは冷静に条件を見直して判断してみてください。

DIYできる修理内容
瓦屋根の雨漏りをDIYで修理できるのは、下記のような場合です。
- 一部の瓦にひび割れがある
- 数枚程度の瓦がずれている
上記以外の補修は、基本的に専門的な知識や技術が必要です。
たとえば劣化した漆喰を直すには、既存の漆喰を丁寧に撤去しなければなりません。乾燥時間や天候も考慮する必要があり、DIYでは難しいといえます。
また、瓦の下にある防水シートは見えない部分に敷いてあるので、雨漏り部分は見つけられない場合が多いです。たとえ雨漏り箇所を見つけられたとしても、多数の瓦を剥がす必要があるため、復旧作業をご自身で行うのは負担が大きすぎます。

瓦屋根から雨漏りする原因は?
瓦屋根からの雨漏りで考えられる原因は、瓦本体や固定する材料、瓦の下の防水シートの劣化、板金材の腐食などです。この章では、とくに雨漏りになりやすい4つの原因を解説していきます。

瓦の割れやズレ
瓦のズレや割れは、台風や地震後に多発するケースがほとんどです。瓦が割れたりずれたりしていると、わずかな隙間から雨水がしみ込みやすくなります。

漆喰の劣化
漆喰(しっくい)とは、瓦と瓦を固定するために使われる白い粘土のような材料です。おもに棟瓦(むねがわら)と呼ばれる屋根の頂上部分で使われます。
漆喰は10〜15年程度で劣化します。ひび割れや剥がれが起きてくると、瓦同士の固定が弱くなり、隙間から雨水が侵入しやすくなります。

防水シートの劣化
瓦の下に敷かれている防水シートは、瓦の隙間から入り込んだ雨水が建物内部に浸入しないように防ぐ役割を担っています。築20年以上が経過した住宅では、この防水シートが経年劣化で硬くなり、ひび割れを起こしている可能性があります。
防水機能が低下すると、瓦に異常がなくても雨漏りが発生する原因になります。

板金の腐食
瓦屋根には、谷樋(たにどい)や水切りといった金属部品が使われており、雨水をスムーズに排水する役割を担っています。しかし、これらの部材は経年劣化により錆びやすく、腐食によって穴が開くと、雨漏りの原因になることもあります。

瓦屋根の雨漏りの見つけ方
以下に瓦屋根から雨漏りした際にセルフチェックする方法をまとめました。
- 雨の日に屋根裏に入り、光が漏れている場所を探す
- 雨漏りの跡をたどって侵入経路を推測する
- 双眼鏡やカメラのズーム機能を使って地上から瓦の状態を確認する
- 瓦のズレや割れが明らかな箇所をチェックする
ただし、雨水は屋根の内部を伝って別の場所から漏れ出すことも多く、見た目だけで原因を特定するのは難しいものです。素人判断では誤った対応につながる可能性があります。

瓦の補修に必要な道具・手順
DIYでおこなう瓦の部分的な補修には、補修方法に合わせた適切な道具が必要です。
ただし、道具は正しい手順で使わなければ十分な効果は期待できません。作業前に、取扱説明書をよく確認しましょう。

防水テープ
防水テープは、割れた瓦や、瓦と瓦の隙間を応急的に塞ぐのに便利です。
おすすめの防水テープは以下のとおりです。
ブチルゴム系の防水テープは粘着力が強く、耐候性(紫外線などによる劣化のしにくさ)も高いので屋外で使うのに最適です。
防水テープで補修する方法 | |
必要な材料 |
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施工手順 |
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防水スプレー
防水スプレーは、細かいひび割れなど、瓦の劣化が気になり始めた際の予防措置におすすめです。瓦の表面に吹き付ければ防水膜ができるので、水の侵入を防げます。
おすすめの防水スプレーは以下のとおりです。
クリアタイプはどんな色の瓦にも合わせる事ができます。防水性が高いため汚れ防止にもつながります。
防水スプレーで補修する方法 | |
必要な材料 |
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施工手順 |
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コーキング
コーキング材は割れた瓦と瓦の隙間を埋めたり、小さなひび割れを補修したりするのに適しています。
おすすめのコーキング材は以下のとおりです。
上記は、気温の低い冬期でも固くならないので押し出しやすく、使いやすい商品です。硬化も早く、肉やせが少ないので初心者でもうまくコーキングを打つ事ができます。
コーキングで補修する方法 | |
必要な材料 |
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施工手順 |
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瓦の交換に必要な道具
瓦が割れたり大きく損傷したりしている場合は、瓦自体の交換が必要です。瓦は下地となる桟木(さんぎ)と呼ばれる木材に釘で固定されているので、交換するには下記のような道具が必要です。
ハンマー(金づち)
瓦を固定する釘を打つためにハンマーが必要です。ハンマーは専用の物でなくても、一般的なもので代替が可能なので、すでにお持ちであれば買い直す必要はありません。
おすすめのハンマーは以下のとおりです。

釘(くぎ)
瓦を固定するための釘は通常の釘と異なり、サビない素材である必要があります。ステンレス製の「SUS304」と記載のあるものを準備しましょう。
おすすめの釘は以下のとおりです。

釘抜き
古い瓦を取り外す際には釘を抜く必要があります。専用の釘抜きがあれば、作業をスムーズに進められます。
おすすめの釘抜きは以下のとおりです。

サンダー(寸法調整が必要な場合)
交換用の瓦を既存の瓦のサイズに合わせる場合は、下記のようなディスクサンダーなどの切断工具が必要になります。
上記は、スイッチの入り切りが固定されず、握っている時だけ動く商品です。ディスクサンダーは回転力も強く反動も大きいため、掴んでいる時だけ動く仕様のほうが安全性に優れています。

コーキングや接着剤(釘固定ができない場合)
部分的に瓦を交換する場合は、重なる瓦との隙間を大きく確保できず、釘が使えないことがあります。とくに1〜2枚程度の交換では釘の使用が難しいケースも多いため、耐候性のある屋外用接着剤やコーキング材で固定するのが一般的です。
おすすめの接着剤は下記のとおりです。
接着後も高い弾力性を発揮するため、ズレや振動に強い接着剤です。台風・地震による剥がれ、ひび割れを防止できる高性能な製品です。

瓦の交換手順
瓦を実際に交換する場合、下記の手順でおこないます。
作業自体は比較的シンプルですが、屋根には傾斜があるため足元が不安定です。転落する危険性もあるため、無理のない範囲で作業するようにしましょう。

割れた瓦の取り外し
割れた瓦を取り外す際は、交換したい瓦を以下の手順で慎重に取り外します。
- 交換したい瓦の上と横にある瓦にクサビをかけ一時的に浮かせる
- 釘で固定されている場合は、釘抜きを使って釘を抜く
- 瓦をゆっくりと持ち上げて取り外す
※下の防水シートを傷つけないよう注意する
割れた瓦の端部は鋭利になっており危険です。手の怪我に繋がるため、必ず手袋を着用しましょう。

交換用瓦の加工・調整
交換用の瓦が手に入ったら、必要に応じて以下の手順でサイズ調整をおこないます。
- 取り外した瓦と新しい瓦のサイズを比較する
- 調整が必要な場合は、サンダーで少しずつ削る
- こまめに元の位置に合わせて確認しながら調整する
- 切断面はなめらかに仕上げる

新しい瓦の差し込み
調整した瓦を以下の手順で元の位置に設置します。
- 下の防水シートの状態を確認する(破れていないか)
- すき間がせまい場合、必要に応じて引掛け用の爪を取り除く
- 隣接する瓦に接着剤を塗布する
- 新しい瓦を慎重に元の位置に差し込む
- 周囲の瓦との位置関係を確認する
瓦を差し込む際には、下の瓦の上に新しい瓦が重なるように注意しましょう。

固定・仕上げ
最後に以下の手順で瓦を固定して作業完了です。
- 可能であれば釘で瓦を固定する
- 釘が使えない場合は屋外用接着剤やコーキング材で固定する
- クサビをはずし周囲の瓦を元の位置に戻す
- 漆喰が必要な箇所があれば漆喰も補修する

【NG集】DIYによる瓦屋根補修でよくある失敗・間違った修理方法
以下は、DIYでよくある失敗や間違った修理方法です。
上記は、一見うまく修理できているようでも実際には効果がなく、むしろ状況を悪化させてしまいます。

セメントで補修する
セメントは漆喰と見た目が似ているため、つい「すき間を埋められる」と思いがちです。しかしセメントの場合、瓦を接着したりすき間を埋めたりしてはいけません。
理由は以下の4つです。
- セメントは防水性に乏しく、むしろ水を吸収してしまう
- 硬化後にひび割れを起こしやすい
- 周囲の瓦との膨張率の違いでさらなるすき間ができる
- 撤去がむずかしくなり、将来の修理コストが上がる

瓦の隙間を完全にふさぐ
瓦の隙間から雨漏りが起きているように見えると、思わずすべての隙間をふさぎたくなるものです。しかし、瓦と瓦のすき間をすべてコーキング材などで埋めてしまうのはNGです。
理由は以下の2つです。
- 瓦屋根は適度な通気性が必要
- 瓦内に入った雨水の排水経路がなくなる

コーキングの間違った使い方は「屋根修理にラバーロック工法はNG!?危険性と正しい修理方法を解説」の記事で解説しています。補修による雨漏りリスクを避けるためにも確認しておきましょう。
軒先をふさぐ
軒先(屋根の端)には隙間がありますが、通気口なので塞いではいけません。屋根裏の換気ができなくなるため、下記のようなトラブルにつながります。
理由は下記3つです。
- 夏場に熱がこもりやすくなる
- 屋根材や木材の劣化を早める
- 結露やカビが発生しやすい

漆喰を重ね塗りする
古い漆喰の上に新しい漆喰を重ね塗りしても、雨漏りは直りません。
理由は以下の4つです。
- 古い漆喰が剥がれると新しい漆喰も一緒に落ちる
- 重さが増して棟瓦に負担がかかる
- 密着性が悪く、短期間で剥がれる可能性が高い
- 見た目は良くても根本的な解決にならない

業者に雨漏り修理を依頼した際にかかる費用
瓦屋根の雨漏り修理にかかる費用は、原因や修理範囲によって大きく変わってきます。以下に一般的な修理内容と費用相場をまとめましたので、参考にしてください。
修理内容 | 費用相場 | 内容・備考 |
漆喰補修 | 3〜10万円 | 棟瓦の漆喰の剥がれや劣化の補修 |
瓦のずれ直し | 1〜5万円 | ズレた瓦を元の位置に戻す作業 |
瓦の交換 | 1万円~/枚 | 割れた瓦の交換(数枚程度) |
棟の取り直し | 15〜40万円 | 棟瓦を全て取り外して積みなおす工事 |
葺き直し | 8,000~15,000円/㎡ | 既存の瓦を一度取り外し、防水シートを張り替え |
葺き替え | 15,000~25,000円/㎡ | 瓦と防水シートを全て新しいものに交換 |
※上記金額に加えて、足場代(部分的であれば約10~20万円)が別途必要になる場合があります。

適正価格で業者に雨漏り修理を依頼するには
雨漏り修理は、依頼する業者によって工事の品質や費用に大きな差が出ます。
実際、相場より高額な請求をされたり、雑な施工で再修理が必要になったりするケースはよくある話です。
トラブルを避けるためにも、業者を選ぶ際は「安さ」だけで判断せず、次の4点も確認しましょう。
- 資格や施工実績を確認する
- 見積もり前に現地調査を依頼する
- 見積書の内容を詳細に把握する
- アフターフォローを重視する

まとめ
本記事では瓦屋根からの雨漏りを自分で修理する方法と必要な道具について解説しました。
DIYで修理できるのは「瓦の補修か交換」のみで、そのほかはプロに任せるのが最善策です。
瓦屋根の雨漏り修理のポイント
- 原因特定は難しいため、基本的にはプロの診断が必要
- DIYでできるのは瓦の部分的な補修や交換のみ対応可能
- 瓦の補修では防水テープ・防水スプレー・コーキングが応急処置に有効
- 瓦の隙間を完全にふさぐなどの間違った修理方法に要注意

瓦屋根の雨漏り修理をDIYでしたいときによくあるQ&A
瓦屋根の雨漏り修理は自分でもできる?
瓦の補修や交換であればDIYで対応可能です。防水テープやコーキング材を使った応急処置は、緊急時の一時的な対策として効果的です。ただし、屋根上での作業は転落など思わぬ危険性があるため、安全面からも専門業者への依頼をおすすめします。
瓦屋根からの雨漏りした場合の修理費用はいくら?
瓦屋根からの雨漏りの修理費用は、原因や修理範囲によって大きく変わります。また、足場の設置が必要な場合は、別途費用がかかることも考慮しておきましょう。
瓦屋根の耐用年数は?
瓦の種類によって耐用年数は異なります。例えば日本瓦の場合は40~100年、セメント瓦は30~40年が目安となります。
>>【徹底解説】セメント瓦の耐用年数!塗装や葺き替えタイミングも紹介
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この記事の監修者兼ライター 徳良 仁 千葉県在住の兼業ライター。建設業界で現場経験を15年(建築3年・電気12年)経験したのち、日本最大の大手アパレルの出店開発部門で発注者としての施工監理を2年経験。現在はGAFAの1社で施設立ち上げ部門の管理職として従事。1級建築士・1級電気工事施工管理技士・第一種電気工事士も保持。日々の幸せは家族団らんを穏やかに過ごすこと。
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